ある温泉街で千枝子は、昔仲良しだった早苗の姿を見かけた。早苗は、二人の男性を伴っていた。婚約者の横山と、彼の親友の笹川だった。この出会いが、四人の男女の人生を後々まで狂わせることになるとは、当時、誰も想像しなかっただろう。
ことは、早苗のたわいない嘘から始まった。千枝子に「婚約者はどちら?」と訊かれた早苗は、咄嗟に男まえの笹川の方だと言ってしまった。それを真に受けた千枝子は、一時の遊び相手にと、横山を誘惑した。早苗の目を盗んで、千枝子の部屋へ忍び込んだ横山。それに気付いた早苗は、腹いせに「ねえ、私たちも……」と笹川にすり寄っていった。
それから一年…。
早苗は周囲に押されて嫌々ながら横山と結婚し、一方、千枝子は、愛人との関係を清算して、笹川と新しい人生をスタートさせた。
しかし、生まれつき浮気性の千枝子と横山は、結婚後も互いの相手を裏切って不純な関係を続けていた。
そんなある日、夫の留守をねらって、千枝子は横山を自宅へ呼んで、いつもながら肉合戦を始めていた。横山がグッと突き上げれば千枝子は腰を持ちあげる。スッポスッポと調子よく抜き差ししていると、突然、襖が開いた。怒りにふるえる笹川に、横山は、自分の妻・早苗を差し出すことを約束した。
沖渉二先生礼賛沖渉二先生礼賛沖渉二先生礼賛沖渉二先生礼賛